ドイツ歌曲をもとに書いた詩の一部

風の音に耳を澄ませば、愛のささやきが聞こえてくる。素肌に上質なシルクのローブをまとったかのように、なめらかで心地よい春の風は、街のいたるところで恋人たちを祝福し、彼らの口づけを爽やかにする。ああ、風よ、風よ。あの娘のうるわしい黒髪をゆらす…

春ごろに書いた詩の一部

【ある春の夜に】 夜の暗闇がごうごうと唸っている。 あまりにも多くを語りかける饒舌な春の月は、おだやかな水面に、その姿を投げ入れる… 夜に沈んだ池と 遥か雲海のかなたから覗くおぼろ月 近くて遠い二人の会話は、夜が明けるまで続くのだろうか 大地の輝…

信仰の真理について

[信仰の真理と歴史的真理] 歴史的真理と先述の科学的真理は原理的に異なった性質を備えている。それは歴史的真理の発見には解釈する主体が実存的に関与しているが、科学的真理にはそれが不確定であるためである。信仰の真理においても歴史的真理は異なってい…

理性と信仰について

信仰は理性が前提となっている。理性こそが人間を人間たらしめるものであり、信仰は理性の充実である。それゆえ両者は相互内在的であり、本質的矛盾はない。もし仮に、信仰が理性と対立するものであるのならば、信仰活動は人間を 非人間化してしまうものとな…

伏見稲荷、東福寺、感想

美しく朱色に染められた鳥居が途切れることなく、一定の秩序をもって、山の 傾斜に立ち並ぶさまは圧巻であった。鳥居の列をくぐり、山頂へと進む過程の中で必ず目にするであろう、鬱蒼と生い茂る木々に、私は畏怖の念を抱いたのである。しかし、これが単に、…

美への執着

中世ヒューマニズムの標語にこんな言葉がある。 「愛が無常の価値を持ち、美を追求するすることで人間は自由になる」 この考え方はヒューマニズムの下書きとなったギリシャ哲学の考え方から発されている。あえてギリシャ哲学、ソクラテスやプラトンについて…

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